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絵描きのふじゆうです。
油絵って、最初始めようと思うと良く解らないことが多いですよね。
その主な理由は、いろいろな種類のオイルや見慣れない道具が多いことが一つあります。
さらに、描き方の手順も多種多様で、
技法書にはさまざまなテクニックが紹介されているため、
混乱することもあるでしょう。
しかし、油絵具は修正が容易であり、
初心者が絵を学ぶのに適した画材です。
特定のポイントに焦点を絞って扱えば、
道具や描き方についても特に難しくはありません。
そのため、絵を趣味として始める場合は、ぜひ油絵をおすすめします。
この記事では、基本的な油絵の描き方(今回は静物画)と、
最初に必要な道具について解説します。
・これから油絵を始める人
・油絵の基本的な描き方の流れを知りたい人
・オイルや道具の種類が多くて何を使っていいいか解らず困っている人
そんな方向けの記事になっています。
それでは、どうぞ
関連記事👇 重ね塗りグレーズ等持つと知りたい方はこちらから
油絵の描き方の基本的な順番は?
何かモチーフを決めます。
今回は、ウイスキーの瓶を描いていきます。
モチーフにはできれば、ライトなどでライティングしてあげると、
立体感と光にメリハリ出て描きやすくなります。
斜めから当てるのが良いです。
構図を決める際は、影の位置なども考えて、構図を決めます。
➊下描き
鉛筆で下描きしていきます。
鉛筆は3B以上の濃ゆいものを使用します。
(木炭などでも構いません)
コツとしては、目を薄めて観ると良いです。
モチーフのシルエットだけが見えやすくなると思います。
この段階は、細かいところは描く必要ないのでざっくりと形を捉えていきます。
まだ、形の崩れはあまり気にしないで大丈夫です。
アウトラインをざっくりと描けたら、
少し濃淡を付けて、バランスを観ます。
ここで一番大事なのは、全体的な構図のバランスです。
離れてみて、バランスがとれているかなど観ましょう。
ある程度かけたら、フィキサチーフで固定します。
(この絵の場合は、フィキサチーフがなかったので、
そのまま次の工程に移っています。)
➋おつゆ描き
次におつゆ描きをしていきます。
おつゆ描きは、バーントシェンナがおすすめです。
テレピンだけを筆に付けて、
描いていきます。
テレピンを多めに付けると薄く描けて、
テレピンの量が少な目だと濃く描けます。
ざっと明暗を観ながら、油絵の具を乗せていきます。
➌おつゆ描き②
次に黒と白を足して、明暗の諧調を増やします。
まずは黒から乗せていきます。
絵を描く時は、暗いところから描いていくのが油絵の基本です。
暗く見えるところに、絵の具を乗せていきます。
黒は何でもいいですが、アイボリーブラックを使用しました。
黒が載せ終わったら、白を載せていきます。
絵の具は、チタニウムホワイトを使いました。
(チタニウムホワイトは、パーマネントホワイトや、シルバーホワイトなどに比べて、
隠ぺい力が強いのであると便利です。)
光が左手前からきているのでそれを意識して絵の具を乗せます。
この段階でもある程度形が見えてきました。
❹背景の着色
今回は静物画なので、より近景の瓶を目立たせられるようにしていきます。
背景は実際の背景の色をそのまま持ってきてもいいですが、
今回は補色を利用したいと思います。
ウィスキーの瓶がオレンジに近い色なので、
補色のブルーを使います。
(絵の具は、ウルトラマリンを使いました。)
ここからは、テレピンではなく、
ペインティングオイルを使用します。
また、背景にグラデーションを少し掛けて、空間があるように描いていきます。
この絵の場合は、下に行くに連れて、明るくなるように塗っています。
❺背景の着色②
テーブルも着色していきます。
ここでもペインティングオイルを使います。
テーブルの色が瓶の色と同系色なので、
この絵の場合は、色を変えました。
同じくブルー系の色で、少し色相をずらして、絵の具を乗せました。
(ウルトラマリンとオリエンタルグリーンで混色しました。)
モチーフの瓶にはみ出してしまってもいいので、
瓶の形も整えつつ、塗っていきましょう。
❻全体をグレーズ
この工程は、省いても大丈夫です。
色はルミナスレモンを使いました。
クサカベの蛍光色です。
(ほかのイエロー系の半透明か透明色で大丈夫です。)
グレーズする目的は、絵に深みを出すためです。
因みにグレーズとは、透明色を上から薄く重ねることです。
下の絵の具が、乾燥してからやりましょう。
ついでに明るいところは絵の具を多めに載せています。
❼背景着色③
背景を薄めのアイボリーブラックで塗っていきます。
半乾き状態で塗っているので、
優しく塗ります。
乾いている場合は、気にしなくて大丈夫です。
➑背景ぼかし
背景の筆跡が目立つので手でなじませるようにぼかします。
手だと指紋が出やすいので、ウエスなどでもOKです。
気にならなければ、そのままでも大丈夫です。
❾モチーフの着色①
一度グレーズしているので、
明暗差がなくなってしまっていますので、再度描き起こしていきます。
まず、暗い所を中心に描き起こします。
❿モチーフの着色②
明るい所を中心に描いていきます。
半乾き状態なので、隠ぺい力の強いチタニウムホワイトを乗せています。
⓫モチーフの書き込み
瓶のラベルの部分など描いていきます。
あまり描き込みすぎると、商品名が解っちゃうので、
適当にぼかしつつ、雰囲気だけ捉えます。
⓬テーブルの着色
2、3日置いてある程度乾いているので、
上からローズマダー(透明色)を塗っています。
また、テーブルの上部につれて暗くなるようにグラデーションを付けました。
テーブルと背景の区別を付ける為です。
⓭モチーフの着色③
イタリアンピンクで瓶の中の液体部分を塗っていきます。
イタリアンピンクは、ピンクと名前がありますが、ほぼ赤みの茶色です。
(ない場合は、バーントシェンナにピュアレッドなど混ぜて混色します。)
液面に注意して塗っていきます。
全部は塗らず、部分的に下地を生かしたりします。
⓮仕上げ
はみ出している部分など修正します。
納得がいくところで完成です。
今回は、固有色にとらわれず、筆のタッチもある程度生かし、
補色を利用、印象派よりの作品に仕上げてみました。
ここからリアルな表現にしていく場合は、
更にグレーズし、さららに細密に描き込んでいきます。
皆さんは、どんな絵が好きでしょうか。
簡単な流れは以上になります。
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ここで、少しお知らせです。
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油絵に必要な道具はどうやって揃える?
選択肢は2つあります。
油絵セットで買うか、バラで揃えるかです。
もしくは、最初はセットで買って、後で買い足していくのも良いです。
下記で説明します。
油絵セットで購入
個別で揃えるのが面倒な場合は、油絵セットを購入すると手っ取り早いです。
おすすめとしては、
「クサカベ 油絵具 ストライプクリアボックスセット」
の12色セットのもです。
木箱の物もありますが、あまりお勧めしません。
かっこいいのは良いのですが、重いですし、
値段が張ります。
また、道具が増えてくるとすぐに入らなくなります。
私の場合は、クサカベの木箱の物を買ったのですが、
今はほとんど使っていません。
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油絵の道具を別々で購入
別々で買う場合は、解らないですよね。
次の項目で必要なものを紹介しますので、
一通りそろえると良いです。
油絵の道具を別々で購入する場合に必要なもの
油絵の具12色セット
初めての場合は、セットで買ったほうが安いです。
最低限12色あれば、ある程度描けるので大丈夫です。
クサカベかホルベインもしくは、マツダ無難です。
なぜなら、日本メーカーで入手しやすく値段もお手頃だからです。
(個人的には、クサカベをおすすめします。)
後々、必要なものがあれば、増やしていきましょう。
色数があったほうが、混色の手間が省けますし、
表現の幅が広がります。
因みに、クサカベが色数が一番多いです。
得意におすすめなのは、透明色の絵の具です。
グレーズがいっぱいできるからです。
ただし、着色力は弱いです。
油絵筆
油絵筆の種類は大きく分けて、
豚毛などの硬毛と、ナイロンなどの軟毛筆に分かれます。
油絵の具を盛り上げて使いたい委場合は硬毛を、
繊細な表現でリアルに描きたいのであれば、軟毛筆をおすすめします。
最初のうちは、豚毛の硬毛筆だけで十分です。
2号~12号ぐらいを5本程度持っておくと良いでしょう。
セットで買う場合は、このあたりの筆が入っています。
ペインティングナイフ
ペインティングナイフは、
油絵の具を混ぜたり、キャンバスに絵の具を乗せるときに使います。
大きめのものと小さめの物を持っておくと良いでしょう。
金属製のかっこいものもありますが、
気にしないのであれば、プラスチック製の物であれば安いです。
筆洗器(ブラシクリーナー)
筆の油絵の具を落とすために使用します。
筆洗機は、油絵セットに入っているものは小さくて使いづらいです。
出来れば、大きめのモノを買いましょう。
筆洗機には、ブラシクリーナーを入れて、使用します。
ブラシクリーナーは、安いのは結構臭いです。
匂いのきになる方は、無臭の物を使いましょう。
また、大きめの瓶に茶こしなどを組み合わせて、
自作することも可能です。
ペインティングオイル
ペインティングオイルは、何かわかりますか?
水彩絵の具の場合は、筆に水を付けますが、
油絵の具の場合は、オイルを付けて使用します。
なので、油絵では、後かたずけの筆を洗うとき以外は、
水を使いません。
ペインティングオイルもかなり種類があるのですが、
最初のうちは、
「クサカベ 画用液 ネオペインティングオイル」
等、1本あれば十分です。
油絵に慣れてきたら、自分で調合したり、
好みの物を買ってみればいいと思います。
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テレピン
テレピンは、おつゆ描きするのと、
パレットを掃除するために使います。
最初のうちは、この2つの用途だけ覚えておけば十分です。
かなり匂いがきついので、
気になる方は、無臭のものもあります。
そちらを使用しましょう。
👇ホルベイン 画用液 オドレスペトロール
掃除や、筆のすすぎに使ってもいいですが、テレピンはクリーナーに比べると高いので、
その辺も考えて使いましょう。
パレット
パレットは、基本的に大きく分けて2種類です。
ペーパーパレットと、木製パレットがあります。
ペーパパレットは、使ったらめくって使い捨てするものです。
木製パレットは、拭き取って掃除する必要があります。
ですが、半永久的に使えます。
掃除が面倒な方は、ペーパーパレットがおすすめです。
ペパーパレットは、他のもので代用することもできます。
私は、100円ショップのクリアファイル(クリアホルダー)を使っています。
牛乳パ付くなどの裏面を利用する方も多いみたいです。
小皿か油壷
小皿は、ペインティングオイルやテレピンを入れるために使います。
最低2つあると良いでしょう。
同じ皿ではなく、デザインが違うものを用意すると良いです。
ペインティングオイルやテレピンを使い間違えないようにするためです。
大きさは、醤油皿ぐらいのおおきさがオススメです。
ペインティングオイルの皿をメインに使い、
テレピンは、筆の絵の具を濯いだりするのに使います。
油壷は、外で使わない限り必要ありません。
室内で使う場合は、使いづらいです。
キャンバスかパネル
こちも必要です。
始めて描くのであれば、キャンバスが良いと思います。
市販されているものであればほとんどの場合、
下地処理がされているので、
そのまま描いていくことができます。
私は木製のパネルを使うことが多いです。
パネルの方が描き心地が好きなだけなんですけどね。
好みで使い分けましょう。
ただし、パネルの場合は、
下地処理をする必要があります。
ジェッソがあると、便利です。
下地作りは他の記事で描いていますので、
パネルで描きたい方は、ご参照ください。
油絵でその他あると便利なもの
イーゼル
イーゼルは無くても描けますが、
出来ればあった方が良いです。
安いものであれば、3000円以内で買えます。
しっかりとした安定感が欲しいのであれば、
値が張りますが、H型イーゼルが良いです。
高さ調節が簡単で、安定感があります。
大きいサイズのキャンバスも載せることができます。
キッチンペーパー
ティッシュペーパーでも代用することはできます。
ただ、薄いので貫通します。
何枚か重ねると大丈夫ではありますが、
一応、キッチンペーパーがあったほうが便利です。
出来れば、ロール型じゃないほうが使いやすいです。
チタニウムホワイト
チタニウムホワイトは、隠ぺい力の強い白です。
油絵セットであれば、パーマネントホワイトが入ってると思います。
これでも良いのですが、薄い白と言ったイメージです。
チタニウムホワイトであれば、ガツンと白くすることができます。
もっと白くしたいのに、白くならないとお困りの方にはオススメです。
スポイト
ペインティングオイルなどを筆に浸すだけでは、足らないことがあります。
たまに、「どばぁ」っ垂らしたいときがあります。
特に大きな絵を描く時です。
そういう時に便利です。
出来れば穴の大きいモノが良いです。
小さいのは詰まります。
私は、アロマオイルについていたモノを使っています。
腕鎮 ワンチン
油絵を描く時に手を汚さないために使います。
木の棒などにクリップを付けるだけの自作もできます。
(写真の左。右は市販のものです。
)
まとめ
と言うことで今回は、
油絵の基本的な描き方を初心者向けに紹介していきました。
また、油絵に必要な道具なども解説しました。
ここのサイトでは他にも油絵に関する情報を多く配信していますので、
興味のある方は見てくださいね。
何か参考になりましたら、嬉しいです。
また、別の記事で。
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