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【新古典主義】画家ダヴィッドとアングルの生い立ちや作品紹介【油絵】

 

皆さん、こんにちは!

絵描きのふじゆうです。

 

美術史や古典絵画に興味はおありですか?

当時の時代背景や美術様式とセットで画家や作品を観ると、

また違った視点で作品を見ることができ面白いですよ。

 

今回は、新古典主義の画家ダヴィッドアングルについての記事です。

おそらく、あまり名前は聞きなれないと思いますが、

絵は有名なので教科書などで多分見たことがあると思います。

 

「あぁ、この人が描いてるんだー」とか、

感じてもらえると嬉しいです。

 

それでは、やっていきましょー

 

 

👇新古典主義以前のロココやバロックはこちらから

ロココ美術の魅力と特徴は?画家と作品紹介【油絵で描かれる官能的な美】

 

油絵の技法を確立したバロックの画家や有名作品など紹介

 

 

 

新古典主義の魅力と特徴は?

18世紀の末頃、ポンペイ遺跡エルコラーノ遺跡が発見され、

人々の古代への関心が高まりました。

 

そうしたなかで、ドイツの美術史家ヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマン

ギリシア美術模倣論』と言う本を出します。

ギリシャ美術の美しさや正しさを示し、新古典主義の典拠となります。

ドイツの画家アントン・ラファエル・メングスや、

スコットランドの画家ゲーヴィン・ハミルトンなどが、

この考えを支持し、新古典主義の先駆け的な存在となります。

 

享楽的、官能的なロココ美術や華やかなる宮廷美術のバロックの反動もあり、

古代ギリシャのローマ美術が理想だと言う考えが広まっていきます。

それが、新古典主義です。

改めて古典を見直そうという動きです。

 

古代ギリシャのローマ美術の理想とは、

正しい理性と強い倫理観でバロックやロココとは相反するものです。

 

解りやすく言うと、楽しさや面白さエロティシズムに走り過ぎたので、

お堅い考えを見直そうという感じですね。

 

新古典主義の主な画家は、ジャック=ルイ・ダヴィッドです。

新古典主義を急激に発展させたのは彼だと言われています。

 

また、ドミニ・クアングルによって、

新古典主義と言うものが確立していきました。

 

新古典主義の特徴としては、

教訓的なモチーフ、太い輪郭線、

筆跡が残らないタッチ感などです。

 

バロックの画家は、かなり筆跡残って居たので、

対照的ですよね。

 

 

 

ジャック=ルイ・ダヴィッド

ジャック=ルイ・ダヴィッドの生い立ち

ダヴィッドは、1748年にパリの商人の家庭で生まれました。

9歳の時に父を失い、祖父によって育てられています。

祖父は裕福だったようです。

また、ロココ時代の画家のブーシェが母の従兄弟で親戚にあたります。

 

当時の若手画家の登竜門であったローマ賞を受賞して、

26歳の時に画家としてデビューしています。

 

ダヴィッドは、政治プロパガンダの画家でもあります。

フランス革命や政治、ナポレオンと深くかかわりがあり、

ナポレオンの失脚後はベルギーに亡命しています。

 

皇帝ナポレオンと共にあった画家と言えるでしょう。

 

ルイ16世の処刑に賛成票を出したことが災いし、

遺体は彼の祖国フランスへ戻されることも許されませんでした。

ですが、現在は心臓がフランス、パリのペール・ラシェーズ墓地に埋葬されています。

 

 

ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品紹介

 

ダヴィッド「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト(1801年)」マルメゾン城所蔵

教科書にも載ってるぐらいこの絵有名ですよね。

 

ダヴィッド「ヘクトールの死を嘆くアンドロマケ(1783年)」

 

ダヴィッド「ボナパルト将軍の肖像(1798年)」

ダヴィッドは、遅筆で3時間で描き切れなかったため、未完成の作品です。

下の方の線がが、こういう風な下書きしてるんだぁと勉強になります。

 

ダヴィッド「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠(1806年)」

コネはかなり大きく、横10メートル 、、縦6メートル もあります。

歴史的局面を印象的に表現しています。

ナポレオンが妻のジョゼフィーヌに王冠を授ける場面です。

(👇アップ

 

ダヴィッド「マラーの死(1793年)」

フランス革命の指導者であるマラーの死を描いています。

なかなか斬新な構図ですよね。

上の方が大きく開いています。

 

プロパガンダ的な絵でもあります。

暗殺の天使とも言われるシャルロット・コルデーの嘘の手紙を持っています。

シャルロットは、嘘の手紙を書いてマラーを油断させ、

マラーの胸を突き刺しました。

手にははっきりと読める文字があ書いてあり、

誘惑のための嘘の手紙が書かれています。

 

ポールボードリー「マラーの暗殺(1860年)」

こちらは、ダヴィッドの作品ではないですが、

同じように暗殺のシーンを描いたものです。

右上に映っているのがシャルロットです。

シャルロットは後にギロチンで処刑されています。

 

ダヴィッド「ヴィーナスと三美神と戦いの神マールス(1824年)」

 

ダヴィッド「アキレウスの怒り(1819年)」

この辺の絵は、新古典主義らしさが出ています。

ルネサンス美術に似てます。

 

ダヴィッド「サッフォーとファオン(1809年)」

サッフォーは、ギリシャの島であるレスボス島の詩人で、

女性同士の愛を感動的に書きました。

レズビアン」という言葉は、彼女の故郷レスボス島にちなんで生まれたそうです。

 

 

 

ドミニク・アングル

ドミニク・アングルの生い立ち

ドミニク・クアングルは、1780年フランス生まれの画家です。

父親は職人寄りの画家で、

化粧漆喰、建築、家具の装飾彫刻、看板描き、音楽など広く手掛けていました。

そんな父親の家庭でした。

父が音楽関係にも携わっていたこともあり、

ヴァイオリン奏者でもありました。

 

フランス語で、「アングルのバイオリン」と言うと、

本格的な趣味」と言う意味になります。

 

17歳の時にパリに出て、ダヴィッドのアトリエに入門しています。

また、ダヴィッドと同じようにローマ賞にも受賞しています。

 

ナポレオンの没落と同時に師匠のダヴィッドが失脚しましたが、

まだ若かったドミニク・アングルは、

ダヴィッドの後継者としてフランスに受け入れられました。

そして、新古典主義を確立していきました。

 

当時のロマン主義の画家ドラクロワと対抗する関係にありました。

主にラファエッロ、ミケランジェロなどの古典を研究していたようです。

 

また、結構長生きで、86歳まで生きています。

晩年の有名な作品「トルコ風呂」などは、82歳の時の絵です。

その歳で、あんな繊細な絵が描けるのが凄いですよね。

 

 

ドミニク・アングルの作品紹介

 

アングル「グランド・オダリスク(1814年)」ルーヴル美術館所蔵

この絵が一番有名じゃないでしょうか?

背骨が「2,3本多い」とか当時批判されたらしいです。

 

アングル「性の裸体の習作(1801年)」

 

アングル「浴女(1808年)」

生々しいですよね。

遠くから見たら、写真みたいです。

かなり透明感があります。

 

 

「奴隷のいるオダリスク(1839年)」

東洋風ですよね。

当時、こういうのが人気だったらしいです。

 

アングル「パフォスのヴィーナス(1852年)」

ルネサンスぽさがあります。

 

アングル「泉(1856年)」

これも有名です。

ラファエロに絵柄似ています。

 

アングル「トルコ風呂(1863年)」

これが、82歳の時の作品です。

 

アングル「ドーソンヴィル伯爵婦人の肖像(1845年)」

肖像画も多くも多く残しています。

服のしわの表現など素晴らしいです。

 

皇帝カール5世の使者を迎える「ピエトロ・アレティーノ」

 

アングル「玉座のナポレオン(1806年)」

凄い衣装。

 

アングル「ユピテルとテティス(1811年)」

古典主義らしさ。

 

「戴冠式のジャンヌ・ダルク(1854年)」

人の大きさに違和感があると思ったら、

後ろの人物は遠くにいるみたいですね。

 

 

まとめ

と言うことで、新古典主義の画家ダヴィッドとアングルをメインに紹介していきました。

いかだったでしょうか。

古典を重要視した新古典主義ですが、

現代の私たちも古典絵画から学ぶことは多くあると思います。

また、歴史を知ることで未来に行かせることもあるでしょう。

 

何か感じる物があったのであれば、嬉しいです。

 

では、ふじゆうでした。

また別の記事で。