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古典絵画の「無原罪の御宿り」って何?作品も紹介【油絵】

 

皆さん、こんにちは!

絵描きのふじゆうです。

 

無原罪の御宿り」って、聞いたことありますか?

古典絵画などを観ていると、

このタイトルが付けられた絵画が多く出てくるんですよね。

そもそも、「原罪」ってなんぞ?って感じですよね。

と言うことで、

原罪」や「無原罪の御宿り」について解説していきます。

 

それでは、やっていきましょー

 

 

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「原罪」とは

原罪(Original Sin)は、キリスト教の教義において、

アダムとイヴがエデンの園で

蛇にそそのかされ禁断の果実を食べたことにより、

全ての人間が生まれながらにして罪を継承したとされる信念です。

 

聖書ではアダムとイヴは、人間の祖先です。

 

つまり、アダムイヴにより、

生まれた人間も罪を背負っていると言うことになります。(宗教上)

 

彼らの子孫である人間は生まれながらにして神から遠ざかる傾向にあり、

罪に染まって生まれてくると言うことです。

 

つまり、原罪は人間の個人的な罪ではなく、

人間そのものが罪深い存在だという考えです。

 

 

 

「無原罪の御宿り」とは?

無原罪の御宿り」は、キリスト教の信仰において、

聖母マリアが生涯において罪を犯さずに生まれたと信じられている教義を指します。

 

無原罪」は、原罪が無いこと

要するに穢れのない状態であり、清らかな状態です。

 

聖母マリアは、イエス・キリストの母です。

イエスキリストは、「原罪(げんざい)の穢れ(けがれ)」なしに生まれてきました。

つまり、イエスキリストは原罪(性行為)なしで生まれてきました。

 

詳しく言うと、

天使ガブリエルが降臨し、イエス・キリストを身ごもったことを、

マリアに知らせます。

そして、マリアは異性なしにキリストをお腹の中に授かります。

この一連の流れを、受胎告知と言います。

 

そのイエス・キリストの母マリアも、

キリストと同じように原罪なしに生まれてきたという、

マリアの神聖さを主張するもの。

 

それが、「無原罪の御宿り」です。

 

これは、ローマ・カトリック教会などで特に重要視されており、

マリアに対する敬愛と尊重が込められています。

 

 

「無原罪の御宿り」が多く描かれた理由は?

16世紀頃、ローマ・カトリック教会に対して、

批判的な立場にあるプロテスタントの存在がありました。

 

プロテスタントは、キリスト教の主要な宗派の一つであり、

キリスト教界においてローマ・カトリック教会と並ぶ大きな宗派の一つです。

16世紀の宗教改革によって成立しました。

 

プロテスタントの起源は、マルティン・ルターによる宗教改革にあります。

ルターは、当時のローマ・カトリック教会に対して批判的な立場をとり、

教会の教義や実践に疑問を投げかけました。

 

プロテスタントには、神の母マリアを崇敬するという概念そのものがありません。

なので、カトリック教会がプロテスタントに対抗する形で、

マリア信仰を主張するために「無原罪の御宿り」多く描かれたということです。

 

特にスペインは国をあげてこの信仰(無原罪の御宿り)を支持していました。

 

 

 

ムリーリョ「エル・エスコリアルの無原罪の御宿り」

「無原罪の御宿り」と言えば、この絵の印象が強いです。

ムリーリョは、20枚近く「無原罪の御宿り」のタイトルで絵を描いており、

プラド美術館でその多くが観られます。

 

 

 

エル・グレコ「無原罪の御宿り」

縦長の結構大きな絵です。

定番の、ハト、バラ、白い百合が描かれており、

大胆な構図です。

 

背景には、地上の風景も描かれています。

 

 

 

ベラスケス「無原罪の御宿り」

1618年頃制作 135×102cm | 油彩 ナショナル・ギャラリー所蔵

 

拡大すると分かりますが、ベラスケスらしい筆跡を残したタッチです。

 

 

フランシスコ・パチェーコ 「無原罪の御宿り」

パチェーコは、ベラスケスの師であり義父です。

ベラスケスの絵と、構図やポーズも同じですよね。

 

修復に失敗した「無原罪の御宿り」

ホントかウソなのかは定かではありませんが、

2020年スペインにて、

ムリーリョの「無原罪の御宿り」が修復に失敗しひどくなってしまったというニュースがあります。

流石にギャグなのではないかと、笑ってしまいました(笑

一応記事によると、コレクターが家具修復業者にこの絵の修復を約14万5000円で依頼し、

こうなってしまったらしいです。

しかも、2度も修復作業にだし、さらにひどくなったようで、

信じられないですよね。

スペインでは他にも同じような事例があり、

2012年にも、エリアス・ガルシア・マルティネスのフレスコ画が、

無残な姿に修復されたということがあったようです。

美術品の価値って、計り知れないと思うので、

こんなことが起こっていいのでしょうか(^^;

 

なにかのギャグであってほしいというのが、正直なところです。

 

 

 

まとめ

今回は、「無原罪の御宿り」について紹介しました。

私は宗教のことはあまりわからないのですが、

美術史をたどっていると必ずと言ってい良いほどキリスト教が絡んできます。

しかも理解しにくいことが多いですよね。

少しでも、理解に繋がれば嬉しいです。

 

では、ふじゆうでした。

また、別の記事で。