皆さん、こんにちは!
絵描きのふじゆうです。
美術史ってざっくりでもいいので、
知っておくと何か見えないものが見えてくるような気がして
面白いんですよね。
また、新た価値観と視点が生まれたりします。
そして、画家の事、作品のことを知るとで、
自分自身を知るきっかけにもなったりします。
先人に学ぶって感じでしょうか。
と言うことで今回は、
ロマン主義の画家ドラクロワについて解説していきたいと思います。
それでは、やっていきましょー
👇関連記事。同じロマン主義の画家ゴヤについては、下で解説しています。
目次
ロマン主義とは?
ロマン主義は、新古典主義と対を成す関係にあります。
新古典主義が理性や合理性を求めたのに対して、
より感情や個人的な経験を重視し、
自然の力強さや人間の内面世界、幻想的な要素に魅了される傾向が特徴的です。
同じロマン主義でも、フランス人は人物に着目した傾向があり、
イギリス人は、風景に興味を向けた傾向があります。
つまり、ドラクロワは主に人物です
画家のターナーなどは風景です。
ウジェーヌ・ドラクロワの生い立ち
ドラクロワは、1798年フランス生まれのロマン主義を代表する画家です。
父は、外交官のシャルル=フランソワ・ドラクロワであるとされるが、
本当は政治家で有名なタレーランではないかと言う説がある。
比較的裕福な家庭だったと思われます。
17歳の時に一度新古典主義の画家に入門していますが、
画家として先輩のジェリコーの影響を受け、
実際に起きた出来事や事件を絵の題材とした作品を多く残しています。
補色を使った強い色彩、筆跡を残した表現、ダイナミックな画面構成が特徴的で、
強烈な感情を表現した作品が多いです。
ドラクロワ代表作「民衆を導く自由の女神」を解説 周りの人は?
「民衆を導く自由の女神」(原題:Liberty Leading the People)は、
19世紀のフランス革命を題材としています。
1830年のフランス7月革命を称えるために描かれ、
1830年から1831年にかけて完成しました。
この絵画は、壮大なスケールとエネルギーに満ち、
激しい感情と民衆の情熱が込められています。
フランス革命が象徴的な出来事であり、
人々の熱狂的な参加によって進行したことを反映しています。
主な要素としては以下のようなものがあります。
自由の女神
絵画の中心に立つのは「自由の女神」で、
象徴的な女性の擬人化です。
彼女は左手に持つ三色旗(フランス国旗)を掲げ、
右手にはマスケット銃を握りしめています。
彼女の姿は堂々としており、力強さと決意を表しています。
周りの人 武装した民衆
自由の女神の周りには様々な背景の人々が描かれており、
彼らは様々な階層や民族を表しています。
彼らは戦いの中で団結し、自由の象徴として女神の指導を受けています。
特に左側に描かれた若い革命家が印象的で、
彼は民衆を象徴する姿として描かれています。
バリケード
絵画の奥にはバリケードが描かれており、
革命の象徴として重要な役割を果たしています。
バリケードは革命の象徴であり、
自由を求める民衆の抵抗と決意を象徴しています。
ドラクロワは、この絵画を通してフランス革命の理念を称賛し、
人々の熱狂的な闘争と自由への渇望を賛美しています。
彼の情熱的な筆跡とダイナミックな構図は、
絵画に力強さと感情が強く表れています。
ドラクロワの芸術的な才能と政治的メッセージが見事に融合した作品であり、
フランスの象徴的な絵画の一つです。
ドラクロワ代表作「キオス島の虐殺」を解説
「キオス島の虐殺」(原題:The Massacre at Chios)は、
ドラクロワによって描かれた代表作の一つであり、
ギリシャのキオス島で起こった悲劇的な事件を題材にしています。
この絵画は、1822年にオスマン帝国軍によって虐殺された
キオス島の住民の苦しみと悲劇を描いています。
主な要素としては以下のようなものがあります
虐殺と破壊
絵画の中央には虐殺されたギリシャの市民の姿が描かれています。
彼らは残酷な方法で処刑されたり、
島を荒らし回るオスマン帝国軍によって虐殺されたりしています。
周囲には崩壊した建物と瓦礫が広がり、破壊と混乱が表現されています。
悲劇的な情景
絵画には悲痛な情景が描かれており、
特に島の住民の苦しみや絶望が強調されています。
子供が母親に抱きついている場面や、
傷ついた者たちが苦しみに満ちた表情を浮かべている様子が描かれています。
哀れな状況
絵画の中には島の住民が逃げ惑っている姿も描かれていますが、
彼らは絶望的な状況に直面しており、
救いの手はないように描かれています。
「キオス島の虐殺」は、
ドラクロワが自らの政治的信念や人道主義的な立場を反映させた作品であり、
当時のフランスで人道的問題が取り上げられるきっかけとなりました。
この絵画は1824年のパリのサロン展示会で発表され、
大きな反響を呼びました。
この作品によってドラクロワは社会的な意義を
持った芸術家としての地位を確立しました。
その他のドラクロワの作品紹介
「アルジェの女たち(1834年)」ルーヴル美術館所蔵
「ダンテの小舟(1822年)」ルーヴル美術館所蔵
「母虎と戯れる子虎(1831年)」ルーヴル美術館所蔵
「サルダナパールの死(1827年)」 ルーヴル美術館所蔵
まとめ
と言うことで、ドラクロワの生い立ちや代表作を解説していきました。
「民衆を導く自由の女神」は、教科書に載ってるほど有名なので、
知ってたんじゃないでしょうか?
現実の様であり得ない描写が面白いですよね。
また、今回紹介した作品はすべてルーヴル美術館にあります。
では、ふじゆうでした。
また、別の記事で。
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