皆さん、こんにちは!
絵描きのふじゆうです。
美術史に興味ありますか?
ロココの美術は、流れでいうと、
ゴシック→初期ルネサンス→北方ルネサンス→盛期ルネサンス→バロック→マニエリスム→ロココ
と言った流れでたどり着きます。
ロココって、美術だけでなく、ロココ建築とかロココ趣味とかよく聞きますよね。
バロックが豪壮・華麗なのに対して、ロココは優美で繊細なイメージです。
古典絵画の作品を見るときには、美術様式と合わせて作品鑑賞すると、
頭の中で整理がつきますし、面白みが増しますよ。
と言うことで、
ロココ美術の魅力と特徴、画家と作品紹介
をしていきたいと思います。
では、やっていきましょー
👇ロココ以前のマニエリスムとバロックはこちらから
目次
ロココ美術の魅力と特徴:油絵で描かれる官能的な装飾
ロココ美術は、18世紀のヨーロッパで発展した美術のスタイルです。
これまで芸術の舞台は、イタリアやフランドル(今のベルギー、オランダ周辺)
でしたが、フランスへと移り変わって行きます。
フランスの宮廷文化から起こり、今までは芸術の担い手は教会でしたが、
富裕な上流階級に支持されました。
ロココ美術は、細部へのこだわりや繊細さ、柔らかな曲線や自然の要素、
華麗な装飾、明るい色彩が特徴で、官能的で優雅な雰囲気の演出が特徴です。
そして快楽的な魅力を追求することで知られています。
絵画以外でも、家具、彫刻、建築など、さまざまな形式で表現されました。
ここから下は、ロココ様式の画家たちと作品を交えて紹介していきます。
ロココの画家➊ アントワーヌ・ヴァトー
ヴァトーは、1684年南ネーデルランド生まれの画家です。
屋根ふき職人の息子として生まれています。
父親は、荒々しい性格だったそうです。
18歳で全くお金を持たずパリに出ますが、
師匠に恵まれて、徐々に画家として認められていきます。
甘美な絵を描きますが、それとは対照的な気難しい性格をしており、
生涯独身だったそうです。
結核で36歳でこの世を去っています。
絵の特徴としては、親しみやすく、
自然の中でゆったりとくつろぐ貴族などを情感豊かに表現しています。
(ですが、どこか哀愁漂う感じな部分もあります。)
こういった絵は、雅宴画(フェート・ギャラント)と呼ばれ、
ヴァトーは新しいジャンルを生み出しました。
アントワーヌ・ヴァトーの作品紹介
ヴァトー「フランスの喜劇の恋(1716年)」ベルリン美術館所蔵
ヴァトーは、演劇の世界に魅せられていたようです。
バロック的な光のコントラスト感もありますね。
舞台の人の声など聞こえてきそうです。
ヴァトー「シテール島の巡礼(船出)(1717年)」 ルーヴル美術館所蔵
ヴァトーの絵では、結構有名な絵です。
シテール島は恋人たちの巡礼の島。
タイトルに船出とありますが、シテール島から帰るシーンを描いています。
愛の宴の終わりが近づいていますよと言う気持ちを表現しています。
そうとは知らず、愛を育んでいるカップルなどが描かれています。
人物などは描き込まれていますが、背景の木などは、荒々しいタッチで描かれているのがみえます。
ヴァトー「ピエロ(1718年)」 ルーヴル美術館所蔵
ヴァトー「メズタン(1718年)」 メトロポリタン美術館所蔵
メズタンと言うのは、イタリア喜劇の登場人物の名前です。
喜劇ではありますが、表情にメランコリックさ(憂鬱さ)がみえますよね。
描き手の性格が出ているように思えます。
ウエディングドレスなどの長い裾のことをワトートレーン(ワトートレイン)と言いますが、
このワトーと言うのは、ヴァトーからきています。
トレイン、つまり、
電車のように裾を引きずっている様ですね。
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ロココの画家➋ フランソワ・ブーシェ
フランソワ・ブーシェは、1703年フランスパリのルーヴル美術館の近くで生まれました。
当時のパリは仮面舞踏会やカフェなどで賑わっていました。
刺繍(ししゅう)のデザインなどをする画家の息子として生まれています。
父は至って平凡な画家だったようです。
3年ほどイタリアに留学し、タペストリーや舞台道具、セーブル磁器のど
広い分野で活躍しました。
優雅で明るくエロティシズムに溢れた作品が特徴的です。
そもそも本人の顔もなんかエロいですよね。
フランソワ・ブーシェの作品紹介
ブーシェ「ヘラクレスとオンファレ(1731年)」 プーシキン美術館所蔵
おもわず、「子供は見ちゃダメー!」
と言いたくなるぐらいエロティックです。
冷静に観ると美しいですね。
ブーシェ「レダと白鳥(1741年)」 ストックホルム国立美術館所蔵
普通は男女のテーマですが、女同士で描かれているそうです。
ブーシェ「水浴びのディアナ(1742年)」 ルーヴル美術館所蔵
マネ「草上の昼食(1863年)」
こちらは、マネの作品です。
印象派の父と呼ばれるマネもブーシェに影響を受けたと言われます。
ブーシェ「化粧(1742年)」
背景に日本的な屏風(びょうぶ)がみえます。
全体的に散らかっていますが、生活感も見えて、なんか好きです。
ブーシェ「ポンパドゥール公爵夫人の肖像」
ブーシェは、ポンパドゥール夫人のもとで、働いていました。
ブーシェ「パグ犬を抱いた若い女性(1740年)」
貴族の優雅さがリアルに想像できますね。
ロココの画家➌ ジャン・オノレ・フラゴナール
フラゴナールは、1732年フランス生まれの画家です。
父親は、皮手袋の製造をしいていました。
フラグノールが6歳の頃、父親の仕事がうまくいかず、
一家でパリにでること居なります。
その後、ブーシェに4年間、教えを受けます。
20歳の時にイタリアへ留学。
そのの頃は、歴史画を描いていましたが、
伝統やしきたりを無視して思うがままの官能的な作風へと変わっていきました。
ジャン・オノレ・フラゴナールの作品紹介
フラゴナール「目隠し鬼(1752年)」
ロココらしい、甘い感じですね。
フラゴナール「霊感(1769年)」
フラゴナール「ディドロの肖像(1769年)」
フラゴナール「俳優(1769年)」
上の3点の肖像画などは、1時間で描いたと言われています。
粗いタッチのなかにも秩序が保たれているというか、
1時間でこれはすご過ぎます。
フラゴナール「ぶらんこ」
この記事のタイトル画像にもしていますが、
ロココと言えば、なんかこの絵画のイメージが強いです。
フラゴナール「閂(かんぬき)(1777年)」 ルーヴル美術館所蔵
この絵も有名です。
男性が部屋の鍵をかけようとしています。
誰かに部屋に入って来て欲しくないのでしょうか?
明暗のコントラストも強く、スポットライトを当てたような光の表現ですね。
ロココの画家❹ ジャン・シメオン・シャルダン
シャルダンは、1699年パリ生まれの画家です。
家具職人の家で生まれ、絵に関しては独学で学んでいました。
ロココ期ではありますが、
享楽的な感じではなく、穏やかな画風が特徴です。
格の低い風俗画にもかかわらず、
ルーヴル宮殿にアトリエや住むところを構えるほど、
名誉をえました。
晩年は、息子が溺死したりと不遇の人生だったようです。
ジャン・シャルダンの作品紹介
シャルダン「朝の糸繕い(1741年)」
他のロココの作品と比べて、落ち着いた印象ですよね。
シャルダン「良き教育(1753年)」
シャルダン「手紙に封印をする女性(1733年)」
この絵は、バロック期のフェルメールの影響を受けています。
👇
構図や明暗差など似た部分がありますね。
シャルダン「シャボン玉吹き(1733年)」
特別なシーンではなく、日常と言った感じです。
シャルダン「猫と魚の生物(1728年)」
「水差しゴブレット、レモン、リンゴ、洋梨のある静物(1737年)」
シャルダン「カーネーションの花瓶(1754年)」
このような静物画も描いています。
画家の関係性
👉師弟関係
フラゴナールは、幼いころはシャルダンの弟子として活動していました。
ですが、シャルダンの厳しさについていけず、
ブーシェに弟子入りしています。
👉師弟関係
まとめ
どうだったでしょうか?
ロココのイメージがなんとなくつかめたでしょうか?
一言でいうと甘いですよね。
(シャルダンだけは、少し違いますが)
何か、学びや気づきにしてもらえれば嬉しいです。
では、ふじゆうでした。
また、別の記事で。
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