皆さん、こんにちは!
絵描きのふじゆうです。
今回は、ロマン主義の画家ターナーの紹介です。
イギリスの有名な画家で、画材メーカーの名前にも使われたいるので、
絵を描く人なら聞いたことがある人も居るんじゃないでしょうか?
「光の画家」なんて言われたりしてます。
日本でも好きな人は多いんじゃないかと思います。
と言うことで、ターナーの
生い立ちや作品紹介をしていきます。
それでは、やって行きましょー
👇関連記事。同じロマン主義の画家紹介
目次
ウィリアム・ターナーの生い立ち
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/Turner_selfportrait-798x1024.jpg)
本名、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(Joseph Mallord William Turner)
長いので日本では一般的にターナーで呼ばれています。
ターナーは、ロンドンの繁華街の理髪店の息子として生まれています。
母親は労働者階級で精神を病んでいたそうです。
両親ともターナーが画家になることを誇りに思っていました。
1789年、風景画家のトーマス・モルトンに弟子入りします。
そこで絵画の基礎を学びます。
モルトンの下で1年ほど修業し、ロイヤル・アカデミー附属美術学校に入学。
学校で油彩を出品し、彼は26歳の若さで英国ロイヤルアカデミーの会員になります。
トントン拍子で出世していますね。
エリート街道まっしぐらといった感じです。
初期の頃はアカデミー受けする写実的な絵を描いていました。
ロマン主義らしい大気、光、激しい雲の表現などが特色です。
ターナーの絵の表現に変化が出たのは、
44歳の時のイタリア旅行だと言われています。
その後の作品は、大気と光に着目した作品が多くなり、
より抽象的な作品を描くようになります。
実際の作品を観れば分かりますが、
空気感つよく大気に触れそうなぐらいに表現されています。
ターナーは主な作品を国家に遺贈しており、
作品の多くはナショナルギャラリーやテート・ギャラリーで見られます。
また、上の絵は、ターナーの自画像ですが、
かなり美化されて描かれていると言われています。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/Portrait_of_Joseph_Mallord_William_Turner_1841-221x300.jpg)
上の絵はターナーの学友が描いた肖像画です。
確かに結構違っているように感じますね。
ターナーの作品紹介
ターナー「嵐の中のオランダ船(1806年)」
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-25-054539.png)
これは30歳ぐらいの時の作品です。
このころは、印象派のような作風ではなく、
写実的な表現です。
ターナー「カルタゴを建設するディドー(1815年)」
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-25-054740.png)
この絵は、クロードロランの絵をお手本にして描かれたものです。
下の絵は、1648年にロランが描い絵。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-25-055336.png)
モチーフや構図がそっくりですよね。
ターナー「小川を渡る(1815年)」
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-25-055548.png)
このころは古典的な風景画をお手本にしていたのでしょう。
近景と遠景のコントラストが強く出ています。
「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/Turner_J._M._W._-_The_Fighting_Temeraire_tugged_to_her_last_Berth_to_be_broken.jpg)
結構有名な絵です。
この絵画は、主題として戦艦テメレール号の最後の時刻を描いており、
舞台はテムズ川河口にあるウーリッジの船葬場です。
テメレール号は、イギリス海軍の戦艦であり、
ナポレオン戦争のナイルの海戦やトラファルガーの戦いなどで戦った勇敢な船でした。
絵画は、テメレール号が解体されるために引きずられてゆく様子を表現しています。
船体の前部は既に壊されているように見え、
川の中央に大きな錨を使って引っ張る船の牽引船が描かれています。
テメレール号はまるで巨大な鉄の巨獣のように見え、
その存在感と寂しさが絵画に込められています。
ターナーは、大胆な筆使いと暗い色調を用いて、
船の錆びついた外観や水面の静寂を表現しています。
同時に、空には深い赤みがかったオレンジ色の光が広がっており、
対比を生み出す美しい夕焼けの風景が描かれています。
戦艦テメレール号の栄光とその時代の終焉を象徴する作品として、
ターナーの優れた技巧と感情豊かな表現力が感じられる一枚です。
古代ローマ ゲルマニクスの遺灰を持って上陸するアグリッピナ
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-25-061528.png)
ターナーは、黄色を好んでいたようで、ほとんどの作品が黄色が多く使われています。
絵具箱も黄色系の絵の具が多く入っていたそうです。
彼は嫌いな色もあり、緑はほとんど使っていません。
ヤシの木を黄色で描いたなんて話があります。
ターナー「戦争(1842年)」
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-25-061655.png)
ぼんやりとした表現で、空気の厚い層を感じます。
ターナー「雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道(1844年)」
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/Turner_-_Rain_Steam_and_Speed_-_National_Gallery_file-1-scaled.jpg)
この絵画は、イギリスの新しい鉄道技術と産業革命の象徴的な作品です。
ターナーはこの絵画で、
蒸気機関車による列車が風雨に煽られながら速度を出す様子を表現しています。
絵画の右側には、グレート・ウェスタン鉄道の列車が描かれています。
列車はスピードを感じさせる勢いで線路を駆け抜け、機関車の煙が立ち上り、
蒸気が舞い上がっています。これにより、
列車の力強さと進行中の速度が強調されています。
世界で初めて「スピード」を描いた絵とも言われます。
一方、左側には、河川と橋が描かれています。
雨が降りしきる荒涼とした風景が広がり、
雲が垂れ込め、暗い色調が絵画全体に漂っています。
これにより、自然の力強さと列車の前進が対比的に描かれています。
またほとんど観えませんが、
蒸気機関車の前に逃げる野兎が描かれています。
これは、文明の力が自然を破壊するという意味も含まれています。
ターナーは、大胆な筆使いと劇的な色彩を駆使して、蒸気機関車と自然の力を融合させ、
現代の技術革新と自然の荒々しさが交錯する情景を見事に描き出しました。
産業と自然の対比を表す優れた作品として高く評価されています。
おまけ ターナー色彩株式会社
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/JGWGhDPt_400x400.jpg)
ターナーって別で聞いたことありませんか?
そう、大阪に本社を置く絵の具メーカーの名前です。
調べてみると、創業者の松村健一氏がウィリアム・ターナーの
ファンだったことから名付けられたようです。
私はデザイン学科の学生だったので、
ターナーのアクリルガッシュを使ってたなぁと思い出しました。
U-35とかも、有名ですよね。
さらに調べてみると、油絵の具も一応作っているようでして、
「マチソン油絵具」と言うものを見つけました。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/71d04d328365b707ee00aa04b9b901db-300x300.jpg)
170mLの大容量タイプだけのラインナップのようです。
と言うわけで、ちょっとしたうんちくでした。
まとめ
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/J.M.W._Turner_Rome_from_Monte_Mario_1820_watercolor.jpg)
ターナーについて解説していきました。
今回紹介したターナーの絵は、
ロンドンのナショナルギャラリーとテートギャラリーで観ることができます。
また、どちらの美術館も無料開放されています。
イギリスは、文化的な活動に重きを置いており、
2001年から全面的に無料化されています。
その辺もありがたい所ですね。
では、ふじゆうでした。
また、別の記事で。
コメントを残す