皆さん、こんにちは!
絵描きのふじゆうです。
パースって聞いたことありますか?
建築関係の人は聞いたことあると思いますが、
あまり聞いたことがない人もいるかもしれませんね。
小さいものにはあまりこのパースというのはかかってこないのですが、
風景画を描く場合や、何かしらのモチーフを描く場合の背景などには必ずと言って程、
要素として入っています。
絵を描く上で、小難しくて苦手意識がある方も多いかもしれませんね。
パースは、絵に置いては建築家のように絶対に合っていなければならないものではないです。
ですが、知識と知っている状態で描くのと、
知らない状態で描くのでは雲泥の差があると思います。
というわけで今回は、
風景画や背景で欠かせないパース(透視図法)の知識
透視図法を使った描き方を紹介していこうと思います。
では、やっていきましょー
油絵など絵を描くのに必要なパース(透視図法)とは?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8193544-1024x768.jpg)
パースは、Perspective(パースペクティブ)を訳したい言い方です。
つまり、遠近法の透視図法のことです。
物の大きさや形を正確に描くための理論のようなものです。
難しい言葉を使わないで言うと、「遠くのものほど小さくなる」ということです。
当たり前のことですが、そういったニュアンスで覚えておくと良と思います。
アイレベルと消失点
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8194548-1024x768.jpg)
アイレベルとは?
アイレベルとは、目線の高さのことです。
また、目でなくても良いのですが、カメラの場合はカメラの高さになります。
消失点とは、地面と平行な直線が地平線と交わる点のことです。
地面と水平なので地面と設置している必要はないです。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8195552-300x225.jpg)
なんのこっちゃ解らないと思いますが、
遠くにあるものほど、小さくなるじゃないですか?
その一番遠い所と思えば解りやすいと思います。
油絵に必要な透視図法の種類
透視図法の種類
透視図法の種類は大きく分けて3つあります。
1点透視図法、2点透視図法、3点透視図法の3つです。
この三つの違いは、消失点の数の違いになります。
1点透視図法は、消失点が1つ
2点透視図法は、消失点が2つ
3点透視図法は、消失点が3つ
と言った感じです。
次の項目でひとつづつ説明していきますね。
透視図法の種類➊ 1点透視図法
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8201562.jpg)
まずは、一番シンプルな1点透視図法から説明します。
消失点は1つになります。
またモチーフが正面を向いている場合に1点透視になります。
➊まず、どこでもいいので正面を向いた四角形を描きます。
➋そして次にどこでもいいので、消失点を描きます。
➌次に、その消失点を繋ぐ線を引きます。
電車のような長い線ができたと思います。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8200560-300x225.jpg)
ここではわかりやすいように点線で描いていますが、直線で伸ばしてもいいです。
❹この電車を適当なところで区切れば、完成です
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8201562-300x225.jpg)
なんとなくですが、空間の中に立方体が置かれているように見えませんか?
四角と点の位置関係はどこでもいいので、いろんな所に描くことができます。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8203574-300x225.jpg)
何個か書いてみて、描くのに慣れるといいかと思います。
10個ぐらい練習してみましょう。
〇形の応用
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8202572-300x225.jpg)
形を応用するとこうゆうこともできます。
これだけでも、地平線があって、教会のような建物が建っているように見えませんか?
この書き方を繰り返していくつも描いていくだけでも町並みなどを描くことができます。
透視図法の種類➋ 2点透視図法
次に2点透視です。
2点透視は、四角が正面ではなく少し横を向いた状態になります。
また、1点透視では、消失点はどこでもよかったのですが、
2点透視図法では、消失点は同じ高にないといけません。
そしてその消失点を結んだ線がアイレベルになります。
実際に描いてみましょう。
➊消失点を2つ平行な位置に描く
それを1直線に結びます。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8204580-300x225.jpg)
➋次に垂直な線をどこでもいいので一つ書きます。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8205582-300x225.jpg)
➌そして、それを消失点と結びましょう。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8206584-300x225.jpg)
❹垂直な線を2本描き足します。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8207586-300x225.jpg)
❺後は物との線を見印になるように四角形を作ります。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8208588-300x225.jpg)
これで、2点透視を使った四角形が描けました。
他の四角形の角も消失点で結ぶと、
箱の裏側の角がどこにあるかも調べることができます。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8209590-300x225.jpg)
〇2点透視図法の注意点
消失点は近くにしすぎない
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8210592-300x225.jpg)
〇消失点は、画面の枠内には1つだけ置くのが基本
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_0767608.jpg)
一つの消失点は、画面上にあってもいいのですが、
もう一つの画面上から外した方が自然に見えます。
画面内に消失点を2つ持ってきた場合、消失点が近くなりすぎるので、
現実の世界では、あまり起こりえないからです。
一般的に写真では画面内に消失点が2つ来るようなことはあまりないです。
透視図法を描く上では、画面内に入れた方がわかりやすいのでこのように説明していますが、
画面の外の遠い場所に消失点が存在している場合がほとんどです。
透視図法の種類➌ 3点透視図法
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8211612.jpg)
3点透視図法は、2点透視図法からさらに消失点を増やしたパースです。
画面がダイナミックになりやすいです。
また、画面に水平や垂直な線がほとんどできない状態になります。
3点透視図法でも2点透視図法と同じように消失点を近づけすぎると、
違和感が出ますので注意が必要です。
1つの消失点は画面上にあっていいですが、残りの2つは画面上から外すと良いでしょう。
もしくは、一つも消失点を入れないということもできます。
消失点の見つけ方
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/03/man-g76513fec3_1920-1.jpg)
消失点の見つけ方は?
一般的な風景の消失点の見つけ方を紹介します。
こちらは、私がとあるホテルに泊まった時の部屋の写真なんですが、
下の写真は、一見どこの消失点があるかわからないですよね。
ですが、写真上にある線を延長することで見つけることができます。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_4483532-rotated.jpg)
解りましたか?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_0769616.jpg)
赤い線が交わっているところが消失点で、
消失点をまっすぐ横に伸ばした線がアイレベルになります。
つまり青い線の高さにカメラを合わせて、撮った写真ということになります。
油絵の透視図法を使った描き方
パース線によるガイドライン
先ほどのホテルの部屋を絵に描くと仮定しましょう。
その場合、パースの線をざっくりですが描きだしてみると下のようになります。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_0770618.jpg)
つまりこのパース線がガイドラインになるということです。
実際に絵を描く場合は、描く必要はないかもしれませんが、
この線に近いところの線を拾って描いていけばいいので、
大きくデッサンが狂うことがあなくなります。
また、左にかかっている洋服だけに着目して、
1点透視で描くこともできます。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_4483624.jpg)
パースを意識することによって、空間の感覚を養う
つまり、こういった感覚を養うこと、知識として知っていると、
絵を描く上でどこにオブジェクトを持ってきたらいいいのか?や、
奥に行くほど小さくという感覚、
空間を把握することが意識的にできるようになると思います。
空間を感じることに慣れてくれば、立体把握能力というか・・・
つまり画力の向上が見込めるはずです。
良いことづくしじゃないでしょうか。
まとめ
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/architecture-5339245_1280-1024x682.jpg)
今回は、パース(透視図法)について、私なりに解説していきました。
私自身も、パースに関してはかなり意識しています。
ですがパースに関しては絶対に合っていなければいけないものではありません。
ガチガチに描きすぎると建設的というか、絵の生き生きした様子が失われてしまい、
説明的な絵になってしまう場合もあります。
神経質になりすぎるのもいけませんが、知らないのは効率が悪すぎると思います。
バランスを大事にしつつ、絵を描く上でのモノサシに使い、
絵を描くことに役立ててもらえればと思います!
何かしら参考になったことがありましたら幸いです。
では、ふじゆうでした。
また、他の記事で。
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