![ふじゆう](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/不自由な自由様-300x300.jpg)
絵描きのふじゆうです。
油絵を描く時に下塗りってやりますか?
私の場合はやったりやらなかったりなんですが、
下塗りをすることによって、得られる効果がいくつかあります。
と言うことで、
下塗りのやり方
下塗りの色の選び方
ジェッソ下地と下塗りの違い
等について解説していこうと思います。
それでは、やっていきましょー
目次
油絵における下地と下塗りの違い
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/uUfLfxwoQj-rJe_bsRZj7Q-e1696559652140.jpg)
初めに混同しやすいので下地と下塗りの違いについて話して行きます。
油絵の下地とは?下塗りとは違う?
油絵の下地とは、キャンバスやパネルなどを油絵の具を塗る前の段階でやるものです。
例えば市販の張りキャンバスであれば、既に下地処理がされているものがほとんどです。
こういったキャンバスの場合は、下地処理をする必要はありません。
油絵の下塗りとは?
油絵の場合の下塗りとは、絵を描き始める前にあらかじめ、
キャンバスやパネルなどの支持体に絵の具を全体的に塗っておくことです。
既にキャンバスに白色のジェッソ下地処理がしてある場合は、
上から好きな色で塗って下塗りをします。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/09/MQQ1yHk1S3qobXmwwjPY6A-300x279.png)
木製パネルなどは自分で下地作りをする必要がある。
油絵でジェッソ下地をする理由について解説
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_7947245.jpg)
キャンバスにジェッソ下地をする理由➊ 絵の具の乗りをよくするため
ジェッソ下地の役割は、
キャンバスに油絵の具を乗せた時に油絵の具が布地にしみ込まないようにするためです。
なぜしみ込まないようにするかと言うと、
まず一つは、単純に描きずらいからです。
ざらざらした表面なので油絵の具の乗りも良くありません。
ジェッソ下地を施すことによって描き心地も良くなります。
そのため市販の張ってあるキャンバスは既に下地処理がしてあるのです。
ジェッソ下地をする理由➋ 油絵の具のヒビ割れ防止
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/soil-5342049_1280-300x205.jpg)
ジェッソ下地をする理由の2つ目として、
ジェッソ下地をしないでキャンバスに油絵の具を乗せてしまうと、
ひび割れを起こす原因になるからです。
布地に油分が吸われてしまい、
そのまま固まるはずだった油絵の具が、油と顔料に分かれて固まることによって、
ひび割れを起こす場合があります。
手間暇掛けて描いた絵がひび割れたらショックですよね。
特に油絵の具絵の具を厚塗りした場合に起こりやすいので注意が必要です。
ジェッソ下地をする理由➌ 発色をよくするため
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/pencils-452238_1280-300x200.jpg)
次にジェッソ下地をする理由は、
発色が良くなるからです。
張りキャンバスで既に白色に下地処理がしてある場合は、
あまり意味がないですが、
木製のパネルなどで描く場合は特に効果的です。
明るい色彩で奇麗な色が出ます。
ジェッソ下地をする理由❹ 表面を平らにするため
キャンバスや木製パネルは表面に凹凸があり写実的な絵を描く場合などには適さない事があります。
そういった場合は、下地処理をすると凹凸が少なくなり平らな面に近づきます。
また、平らにする目的がある場合は、ジェッソを塗った面をヤスリ掛けをします。
そうすることによって、表面の凹凸がさらに無くなり平らな面にすることができます。
凹凸が絵を邪魔することがなく、写実的な絵を描く場合は適しています。
ジェッソ下地の乾燥時間は?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/woman-586185_1280-300x200.jpg)
表目の手につかなくなるぐらいまでには、1時間もあれば乾きます。
上からアクリル絵の具で下塗りをしたり、
そのままアクリル絵の具で描いていく場合はそれで問題ありません。
ですが、油絵の具をジェッソ下地の上に塗る場合は、
ジェッソ下地の乾燥時間は、おおよそ3日開けた方が良いです。
ジェッソメーカーがそう言っていますので、
一応守っておいた方が良いでしょう。
Q ジェッソの乾燥時間を教えてください。
A 塗布条件(環境、基底材、塗膜厚)によって変わりますが、乾燥時間は室温で約20分から50分です。油絵具を上に塗る場合は最低3日間、充分に乾燥させてからにしてください。
油絵で下塗りをしないのはあり?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/q-and-a-2453376_1280-1024x410.jpg)
油絵は、下塗りをしなくても描ける。
油絵ので下塗りをしないのはありです。
後から上から塗り重ねることによって深みは出せます。
ただ、しておいた方が塗り残し感が出にくいので、やっておいた方が良いです。
下塗りに油絵を使うと乾燥に時間がかかって、描けなくなりますよね。
その場合下塗りをしないでやる場合もあると思います。
また、乾性油の量を少なくしたり、
乾燥促進剤を使うことによつても油絵の具を早く乾燥させることもできます。
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油絵の下塗りの目的とは?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/03/IMG_7641243.jpg)
続いて下塗りをする意味や目的についてです。
油絵で下塗りをする目的➊ 塗り残しを無くす為
下塗りの一番の目的として、塗り残しを無くすためです。
水彩画などは塗り残しの部分を作ることによって効果的に見せることができますが、
油絵の場合は塗りお越しの部分があると悪目立ちしてしまい、
作品のクオリティも落ちてしまう原因になります。
そういつた意味で、やる価値は大いにあるでしょう。
油絵で下塗りをする目的➋ 絵に深みが出る。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/europeana-Y8nTMVrZsrE-unsplash-300x249.jpg)
下塗りをすることによって、
画面に深みを出すことができます。
例えば、白いキャンバスに、直接油絵の具を乗せる場合と、
先に何の色でもいいですが下色を塗っておくと、
下塗りした色と上に塗った色で重なり合い、
単純な色彩ではなくなります。
絵としても見栄えの良い絵になります。
油絵で下塗りをする目的➌ 画面に複雑な表情を作れる。
下塗りはベタ塗をする必要はなく、
ランダムに筆跡を残して作って行っても良いのです。
この場合は、キャンバス上に単純さがなくなり、
複雑な表情を作ることができます。
画面上に面白みがない場合は良いかもしれないですね。
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油絵の下塗りの色の選び方は?何色が良い?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/rainbow-2406990_1280-1024x576.jpg)
油絵の下塗りの色の選び方➊絵のイメージで下塗りの色を決める
結論としては、下塗りの色は何色でも良いです。
基本的には描きたい絵のイメージに合わせて選ぶと良いです。
静かなイメージであれば、感触の青系統、
元気なイメージや明るいイメージであれば暖色の赤や黄色を使うといった様に使い分けると良いでしょう。
油絵の下塗りの色の選び方➋ 迷ったらグレーで下塗り
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/ernest-karchmit-ZcDjyPNLQ8w-unsplash-300x182.jpg)
油絵の下塗りで迷ったらグレーで塗るのもおすすめです。
下色をグレーで塗るメリットは、絵のイメージを左右しないことです。
どんなイメージの絵にも持っていけます。
また、もう一つメリットがあって、
色を塗るのが楽になる点です。
どういうことかと言うと、
明るい色に近づけたければ白色を、
暗い色にしたい部分は黒色を塗ることになりますが、
既に明暗の中間のグレーが乗っているので、
明暗の作り方が楽になります。
また色彩がないので、立体的な表現がしやすいです。
油絵の下塗りの色の選び方➌ おつゆ描きをそのまま下塗りの色にする
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-05-175813-1-235x300.png)
「おつゆ描き」ってご存じですか?
おつゆ描きとは、油絵の具に揮発油のテレピンやぺトロールだけを混ぜて、
薄く描いていくやり方です。
下描きとしても使うことができます。
揮発油の量が多ければ薄くなり、明るい部分を表現でき、
揮発油の量が多ければ濃くなり、暗い部分を描くことができます。
油絵の下塗りの色の選び方➍下塗りで補色を使う
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/ladybug-277450_1280-300x196.jpg)
緑の多い風景が描くとしましょう。
その場合、緑の補色の赤色を置くといつた感じです。
補色とは色相環の反対側にある色のことです。
(黄色の補色は紫、青の補色はオレンジ)
補色を使うことで深い色合いになります。
油絵での下塗り❺ おつゆ描きでおすすめの色は黄色や茶色系
![茶色 油絵](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/04/VByEhretALG8sGCC-Kyo1GPo9SqZRm59q0KjMJBFd5KN4PtQZwoOt298bxF_etZYRkBWrsbVwLwgXcKv_Zy1rp1dw_vQ9sZgLkKZi6MnJbplnIMPjxUjVpI3lxNEgel9-300x225.jpg)
もっとも一般的におつゆ描きの色として使われるのは、
黄色か茶系の色です。
おすすめの色としては、茶系の色のバーントシェンナです。
その名の通り土を焼いて作った色です。
安価な絵の具ですし、半透明で濃淡が作りやすいです。
下塗りのおつゆ描きで濃ゆ目に塗りたい場合のおすすめの色は?
バーントアンバーなどの不透明色が良いです。
より暗い色が濡れますので、
重圧感のある絵にしたいなどの目的がある場合は良いかもしれませんね。
下塗りと下描きのタイミングについて
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/hKueGo6JR8-d3z0GEmO6Zg-rotated.jpg)
油絵の下描きのタイミングは?下塗りはいつやる?
鉛筆や木炭で下描きをする場合は、下塗りが先です。
なぜなら、油絵の具で下塗りしたキャンバスには木炭が乗らないからです。
先に下描きをしてから、下塗りをするようにしましょう。
少しわかりにくいと思うので、
キャンバスの場合と木製パネルの場合で順番を下に示します。
②フィキサチーフで固定。
③下塗り
②つるつるの面にしたい場合はヤスリを掛ける
③鉛筆か木炭で下描き
④フィキサチーフで固定
⑤下塗りをする
油絵で下描きをフィキサチーフで固定する理由は?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-14-144747-300x296.png)
下描きをフィキサチーフで固定せずに下塗りきをすると、
下描きがぼやけて見えなくなつてしまいます。
なので、固定してから下塗りをすることをおすすめします。
![ふじゆう](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/不自由な自由様-300x300.jpg)
液体タイプを使つてみたところ、下描きが滲んでしまいました。
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油絵の下塗りにはアクリル絵の具を使うこともできる。
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/fd8FfAFMR4mzNNuAF0UccA-1024x768.jpg)
下塗りにはアクリル絵の具を使うこともできます。
(因みにジェッソの上にもアクリル絵の具は乗せられます。)
油絵の下塗りでアクリル絵の具を使う時の注意点
下塗りでアクリル絵の具を使う場合の注意点ですが、
油絵絵の具を一度乗せてしまうと、
上からアクリル絵の具は乗せられないということです。
割とやりがちなので気を付けましょう。
カラージェッソで下地兼、下塗りすることも!
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/ozt4ew3oRl-vXDFWCLzffg-1024x768.jpg)
ジェッソには色付きのものも販売されています。
カラージェッソであれば、下地と下塗りを同時に果たすこともできます。
一石二鳥で時間の節約にもなりますね。
ジェッソ下地をキャンバスやパネルの側面まで塗る。
キャンバスやパネルを塗る時にカラージェッソを使って側面まで塗った方が良いです。
側面にも油絵の具が付いてしまうのはもちろんですが、
黒色等のジェッソを使って側面を塗ると見た目の面でも良くなります。
また、額装せずに飾る場合もあると思うのでそう言った場合は、
側面まで塗るメリットは大きいです。
下地を生かす油絵の具の塗り方は?
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/abstract-art-4500481_1280-1024x595.jpg)
下地を生かす場合は油絵の具を薄塗りすると良い
下地を生かす場合は薄塗りすると効果的です。
透明色や半透明色を使うことによつて、
下地を生かしやすいです。
不透明色だと下地をほぼ隠してしまうので、下地を生かせなくなります。
油絵の具を厚塗りをする場合は下塗りの効果が薄い
厚塗りをする場合も下地を生かせなくなります。
この場合の下塗りは、塗り残しを作らないという目的が大きくなります。
とわいえ、すべての面を厚塗りで覆うことも少ないと思いますので、
塗り残しなどあった場合に、効果的に働くこともあります。
下塗りはやっておくに越したことはないでしょう。
まとめ
![](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/steve-johnson-99RJSJ4a5Oc-unsplash-1024x700.jpg)
と言うことで、
下塗りのやり方、
下塗りの色の選び方、
ジェッソ下地と下塗りの違い
などについて話して行きました。
油絵における下塗りの重要性を理解いただけたでしょうか?
お役に立てることがあったのであれば、嬉しいです。
![ふじゆう](https://aburaenohibi.com/wp-content/uploads/2023/10/不自由な自由様-300x300.jpg)
また別の記事で。
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