絵描きのふじゆうです。
光がどんな反射をするか考えたことはありますか?
絵を描く時にここから光が来ているから、ここがこう光って、
質感はこうだからあまり光らないよなぁとか考えますよね。
今回は、その光の反射についていくつか例を挙げながら、
紹介していこうと思います。
タイトルには初心者向と付けていますが、正直マニアックな知識です。
ですが、興味深い部分もあると思うので参考になれば嬉しいです。
それでは、やっていきましょー
👇このシリーズはいくつか書いていますので興味ある方はどうぞ。
目次
光の描き方や知識➊ 拡散反射と鏡面反射
世の中に存在しているモノは、おおよそ拡散反射するモノと鏡面反射するものに分かれています。
拡散反射
拡散反射というのは、主に非金属のものです。
つまり、金属というのは人間が生み出したものがほとんどなので、
世の中にある物のほとんどが拡散反射にあたります。
そして、私たちの目は主に拡散反射によってモノの体積を知覚しています。
鏡面反射
鏡面反射は、体積に関する情報をあまり伝えません。
鏡のように反射をするので、そのモノの形が見えてこないということになります。
拡散反射するものは、光と影ができそのグラデーションの具合や、
光の度合いなどによって形が丸いのか角ばっているのかなどを判断できます。
普段見ている当たり前のことを文章に置き換えただけですが、
よくよく考えると面白いですよね。
光の描き方や知識➋ 濡れた表面
塗れるとモノが暗くなり、反射作用が生まれる
拡散反射のものは濡れると色が濃くなり傾向があります。
服が濡れた場合や、レンガや石などが濡れた場合も色が濃くなりますよね。
これは、表面の乱反射が減るのが理由です。
もう一つの理由として、本来は凹凸がありいろんな方向に反射していたものが、
水に濡れたことによって凹凸がなくなり、
明るいハイライトが部分的に表れるようになるためです。
要するに鏡面反射的な要素が増えるということになります。
木のニスを塗ったことはありますか?
色が濃くなりますよね。
そして、テカテカ光るようになりますよね。
そういう感じです。
金属が濡れた場合
金属などの鏡面反射するものは、元から表面が平らなので濡れてもあまり色も変わらず、
変化は少ないです。
濡れて色が変わるのは、拡散反射するものだけになります。
また、意図的に塗れた様に見せたいときは、
色を濃くしてハイライトを強めれば濡れた表現ができます。
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光の描き方や知識➌ 自然界の鏡面反射
前の項目で、濡れた表面は鏡面反射の要素が追加されると説明しました。
自然界のものはほぼほとんどのものが、凹凸があるため光沢が強い面は希です。
察しが付くと思いますが、水だけは例外で、鏡面反射になります。
その他人間の体でいえば、目や爪などが当たります。
他にはそうですね、剥げている頭も太陽光に照らされることにより強烈に光を反射します。
ごほん・・・失礼しました。
光の描き方や知識❹ 葉っぱの反射
曇りの日の葉の反射
雲のりの日に光沢なある葉っぱの表面を見ると全体的に大きく白いハイライトができます。
これは、空の大きな光源が葉っぱを照らしているからです。
葉の晴れの日の反射
逆に晴れた日には、部分的に強いハイライトができます。
太陽に光がかなり強いので、青空による環境光の青色はほとんど見えないという仕組みです。
本来は、空からの青い光も反射はしているのですが、
2つの光の反射のコントラストが強すぎるので、
人間の目にはより明るいほうだけが見えるといった感じになります。
空のような大きな光源は大きな鏡面反射を生じて、
太陽のような小さな光源は小さな鏡面反射を生じると覚えておくと良いでしょう。
光の描き方や知識❺ フレネル反射
フレネル反射という言葉を聞いた事がありますか?
水辺を観察するときによくわかります。
水中を真上から見ると、水面の反射が少なく、そこが良く見えます。
反対に真上からでなく、水平に近いところに視線を移して、
水面を横から見ると反射して底が見えなくなると思います。
この現象をフレネル効果と言います。
ガラスの瓶などが、フレネル反射が良くわかります。
中央部分は、反射が少ないのは透明で透き通ってみえて、
横の方ほど反射してハイライトができていることがわかると思います。
絵を開くときなども、これを生かして描くとそれっぽく表現することができます。
光の描き方や知識❻ 面取りされたモノの反射
滑らかな面は反射を起こしやすい
平面のものは反射する角度が限られてくるのに対して、
面取りされたものは、光を反射しやすいです。
これは、フレネル反射と同じ原理で、
広い角度に反射するため明るいハイライトができやすいです。
世の中に尖っているものは少ない
また、世の中には角が尖っているものは少ないです。
当たり前の話なのですが、尖っていたら危ないですよね。
なので、テーブルや机、やお皿など、ほとんどのものは面取りされています。
つまり、その部分にハイライトができやすいです。
四角い箱を描く時、こうかくよりも
こう描く方がよりリアルに見えます。
この方が現実的に存在しているからです。
光の描き方や知識❼ 明暗による反射の違い
黒いものは鏡面反射によって輪郭が表れやすいです。
白い物は、拡散反射によって輪郭が見えやすいです。
黒いものほど拡散反射が目立たないので、ハイライトの鏡面反射によって、
輪郭が描かれることが多いということです。
黒が拡散反射しにくい理由は、黒色は光を吸収してしまうからです。
逆に白は反射しやすいので、拡散反射によって、全体的に知覚しやすいです。
光の描き方や知識➑ 鏡面反射の陰影
鏡面反射の物には陰影ができません。
影が映ってるように見える場合もありますが、
周りの環境の映り込みです。
陰影ができるのは、拡散反射の物だけです。
つまり、鏡などには影が落ちることはないです。
絵を描く際などは、間違えやすいです。
リアリティを出したい場合は覚えておくといいでしょう。
まとめ (光の描き方や知識)
ということで、今回は光の反射について書いていきました。
反射は鮮明か?歪んでいるか?光は強いか?色が強いか?黒いか白いか?
など、モノをよく見てみましょう。
この世に存在するものが同じように光を反射するわけではありません。
リアルなイメージを作るには、モノの素材をしっかり判断し、
それぞれの表面がどのように光を反射するのか考えるコトが重要だと思います。
光の反射の理解を深めて、作品に取り入れてみてください。
そして、光と表面の理解を深めてもらえれば幸いです。
では、ふじゆうでした。
また、別の記事で。
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