皆さん、こんにちは!
絵描きのふじゆうです。
油絵を描くときどんなオイルやメディウムを使っていますか?
いつも同じ描き方や同じオイルを使っているとマンネリ化したり、
実は自分に合うものが他にもあることに気づけない場合もあるかもしれません。
ということで、どんな画用液の種類があるのかを1つ1つ解説していきたいと思います。
基本的なものからあまり使わないものまで紹介していきますので、
何か発見があれば幸いです。
それではやって行きましょー
油絵の画用液の種類
「画用液」は油絵具の特性を最大限に引き出すために使われます。
選び方や使い方によって、作品の仕上がりが大きく異なることがあります。
種類には、溶き油、乾燥剤、ワニス、洗浄剤などがあり、
表現に応じて使い分けします。
そのため、多くの種類があるために迷ってしまうことがありますが、
それぞれの用途に応じて選ぶことができるように種類も多くなっています。
油絵のオイル(溶き油)
大きく分けて3つあります。
乾性油、揮発油、調合溶き油の3つです。
順番に説明していきます。
油絵のオイル➊ 乾性油
絵具の伸びや、のりをよくし、丈夫にします。
一般的に多く使われているのは、
リンシードオイルとポピーオイルです。
下記は、クサカベから出ているものを上げています。
・リンシードオイル
植物性油で、乾燥後の塗膜は頑丈ですが、少し黄変する乾性油です。
・ポピーオイル
リンシードオイルより乾燥は若干遅いです。
被膜は少し弱め。
乾燥後の黄変が少ないので、白や淡い色を使うときには良いです。
・サンシックンドリンシードオイル
油絵具に混ぜて筆跡を消す独特の陶器の肌に似たマチエールが表現できます。
・スタンドオイル
リンシードように黄変も無くドロッとした粘りが油の厚みを出してくれます。
透明性と輝きを画面に与え、乾燥後はサンシックンドオイル類と同じように筆跡を消し、
頑丈な塗膜を作ってくれます。
油絵のオイル➋ 揮発性油
油絵具の粘性や濃度の調整、乾燥の促進、乾性油の希釈、
さらに樹脂などを溶解液としても使われます。
主にテレピンが多く使われています。
ターペンテインという言い方もありますが、テレピンのことです。
・テレピン(ターペンテイン)
テレピンは松の樹脂を精製して作られた植物からできた揮発性油です。
ツンとした香りがします。
・ペトロール
ペトロール(petrol)は英語を和訳するとガソリンです。
石油精製系の揮発性油です。
一般的には、ペトロールの蒸発は穏やかで、溶解性はテレピンよりは低いです。
石油系の独特のにおいがします。
テレピンより安価です。
・ラベンダーオイル
ターペンタインより揮発が遅く、溶解力は強いようです。
ぼかしに向いており、強い香りがあります。
防腐効果もあるようです。
油絵のオイル➌ 調合溶き油
調合溶き油は、既にいくつか混ぜてあり、
調合済みで油絵を描くのに便利です。
クサカベのラインナップで紹介します。
・ネオペインティング オイル
バランスの良い配合の調合済みの溶き油です。
黄ばみも少なく光沢があり・乾燥も穏やかです。
標準的な処方ですので、溶き油のベースとして描き出しから仕上げまで利用できます。
めんどくさい方は、これ一本で描くのありです。
・ペインティングオイルスペシャル
スタンドオイルと合成石油樹脂を主成分とする速乾性の調合溶き油です。
現代的な樹脂による配合で、黄変の心配がなく、光沢のある輝かしい画面になります。
高濃度の溶き油なので、制作段階に応じてテレピンで濃度を調節しながら使用します。
・ペインティングオイル クイックドライ
アルキド樹脂を主成分とした速乾性の調合溶き油です。
翌日には指でさわってもべとつかない程度に乾きます。
出来上がった画面は適度な光沢のある仕上りとなります。
開栓したまま放置すると固まってしまうので注意です。
また、早めに使いきる必要があります。
・ダンマル ペインティングオイル
スタンドオイルと天然ダンマル樹脂が主成分の調合溶き油です。
光沢のある画面を作り、油絵具の透明性を生かした重ね塗りに向いています。
高濃度の溶き油なので、段階に応じ溶剤で濃度調節する必要があります。
・コパール ペインティングオイル
古典的な調合溶き油でスタンドオイルと天然コーパル樹脂が主成分です。
固着力に優れており、光沢のある頑丈な画面を作ります。
速乾性です。
未乾燥の画面に不用意に使用するとシワがよる恐れがあるようです。
高濃度なので、制作段階に応じ溶剤で調節して使用します。
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油絵の樹脂類
絵具に光沢と絵具をのりやすくします。
一般的にはダンマルバニスが多く使われているように思います。
油絵の樹脂➊ ダンマルバニス
光沢が増して、乾燥も早めます。
オイルよりダンマルの方が先に乾燥し、
表面は乾いているのに絵具が未乾燥という状態になり
いい感じで絵具を上から乗せやすくなります。
接着力も増すようです。
仕上がり後の画面保護用のニスとしてもも使用できますが、
20年くらいで黄変しますのであまりおすすめしません。
油絵の樹脂➋ マスチックバニス
他の樹脂溶液よりも速く乾燥し
単体で使うと1時間ほどで乾きます。
ダンマルに比べて高価です。
油絵の樹脂➌ ベネチア テレピン
唐松の樹液を精製した天然の液体です。
はちみつぐらいの粘土があるようです。
光沢と透明感があり、筆跡を残さない画面が作れるようです。
単独使用では乾燥が遅く、黄変する傾向があるので
乾性油やワニスと調合して使うことがほとんどのようです。
紹介していますが、初めて知りました。
油絵の乾燥促進剤
乾燥を早めるための添加剤です。
油絵の乾燥促進剤➊ ホワイトシッカチーフ
油絵具に混ぜて、乾燥を早める添加剤です。
無色で作用は穏やかです。
シワのよる心配も少ないです。
油絵の乾燥促進剤➋ ブラウンシッカチーフ
ホワイトシッカチーフより強力な乾燥促進剤です。
液の色が褐色で、入れすぎるとシワがよる危険もあるが、
適切な使用法をすれば問題ないです。
油絵の乾燥促進剤➌ 超速乾メディウム
油絵具に混ぜて乾燥を大幅に早める強力なメディウムです。
厚く塗ってもしわや亀裂が起こりません。
絵具に透明感が増します。
どのメーカーの油絵具にも使用可能で、
油絵具との混合比率は1:1で使います。
体感ですが、3時間ほどで乾きます。
一晩も置けば、ほぼ乾きます。
筆の洗い忘れに注意。
油絵の乾燥促進剤❹ クリスタルメディウム
アルキド樹脂を主成分とした速乾メディウムです。
ツヤ消し効果の盛り上げができます。
多く混ぜるほどつや消し効果は上がり、色は薄くなります。
超速乾メディウムと塗り比べてみましたが、つや消し効果は実感できました。
ただ、超速乾メディウムの方が高級感があると感じました。
油絵のワニス(バーニッシュ)
油絵のワニス➊ 描画用ワニス
・パンドル
ダンマル樹脂を基材とした描画用ニスです。
乾燥が早く強い光沢があります。
乾性油と混ぜることで塗膜が強くなります。
プリマ技法に適しているそうです。
プリマ技法とは、下塗りを単色の地塗りで、
この地の上に不透明色で直接描いて素早く完成させる技法。
19世紀以後最も一般的な描き方となったそうです。
グレージングバニス
乾性油、精製石油、樹脂を主成分で伝統的な配合になっています。
ワニスというより、ペインティングオイルに近いと思います。
グレーズに向いており、そのまま油絵具に混ぜるだけで使えます。
油絵のワニス➋ 加筆用ワニス
・ルツーセ
乾いた画面に加筆する際にしようします。
描いた油絵に加湿しようとするときに、はじいて描けないときがあります。
そんな時に塗ると光沢を復元させて、
絵具の付きをよくさせる効果があるので、描きやすくなります。
また、画面に光沢を戻したい用途で使うこともできます。
スプレータイプのものも販売されています。
油絵のワニス➌ 画面保護用ワニス
・タブロー
6~12ヶ月だった完成した作品に使用します。
柔らかい筆で均一に薄く塗ります。
画面保護効果が高いので、一般的にはこれをつかいます。
塗るときは、埃を落としてから使用しましょう。
経年変化した塗膜は、テレピンで除去すれば何度でも塗りなおしが可能です。
スプレータイプもあります。
マッドタブロー
タブローのツヤがないバージョンです。
ツヤが要らない場合は、こちらを使用します。
クサカベのタブロースペシャル(ホルベインのラピッドタブロー)
指触乾燥段階で塗布できる仕上げニスです。
指触乾燥段階とは、手で去ってもつかないぐらいの状態、
つまり完全感想じゃない状態で使えます。
名前の付け方に問題があると思うのですが、
タブローのスペシャルバージョンというわけではないです。
普通のタブローより保護効果は弱いですが、
光沢が手軽に得られ、急ぎでニスをしたいときに便利です。
完全に画面を覆うわけではないので、
下の絵の具の酸化を邪魔しない仕組みのようです。
こちらもスプレータイプのものがあります。
ちなみに、ルツーセがタブロースペシャルと同じような用途で使用できます。
クリスタルバニス
合成樹脂を主成分とする、仕上がった画面の保護・つや出しニスです。
無色透明でタブローと同等の性質です。
のため淡色系の保護ニスとして重宝します。
タブローと同じく、経年変化した塗膜はテレピンで拭き取れば何度でも塗りなおしが出来ます。
グロッシーバニス
合成樹脂が主成分の仕上げ用ニスです。
光沢効果が得られます。
描画用にも使用でき、亀裂を起こす心配がありません。
非常に強固なニス層を形成し乾燥後の除去は難しいです。
油絵の筆洗液・クリーナー
油絵の筆洗液 ブラシクリーナー
一般的なクサカベのブラシクリーナーです。
・無臭クリーナー
匂いが気になる方は、無臭のものもあります。
ただ、普通の物より洗浄力が落ちるようです。
・ブラシクリーナーデラックス
通常の物の3倍の洗浄力があるようです。
値段も倍ぐらいします。
またリンスも入っており、石鹸アリや水洗いの必要がないと書いてあります。
興味本位で買って持っているのですが、もったいなくて使っていません。
・ストリッパー
ストリッパーは、固まった油絵具を溶かし除去するための剥離剤です。
筆やパレットに付着固化した絵具にこの液を塗り、10分程度待ちます。
絵具が浮き上がってくるので、布やパレットナイフで奇麗にします。
皮膚についたときは、すぐに水で洗い流したほうが良いです。
ブラシソフター(筆毛保護材)
最後にブラシソフターです。
こちらは、筆のお手入れ用で使います。
髪を洗った後に使う、コンディショナー(リンス)でも代用はできますが、
高級な筆などは、定期的にお手入れして、長持ちさせてあげましょう。
まとめ 油絵の画用液
ということで、今回は、
油絵に必要な画用液の種類や使い方を解説していきました。
説明足らずの部分も多いですが、簡単な使い方と特徴を知って、
実際に使ってみて自分に合うものを見つけるのが一番だと思います。
あなたの何か新しいものの発見につながれば幸いです。
では、ふじゆうでした。
また別の記事で。
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