絵描きのふじゆうです。
油絵の技法とかってカタカナや由来が外国から来たものが多くて覚えずらいですよね。
私もまだ覚えていない言葉がいっぱいあります。
言葉を覚えたからと言って、絵は上手くはならないと思いますが、
表現の幅が広がったり、知識として入れておくと何かしら役に立つんじゃないでしょうか?
ということで。今回は油絵の技法について書いていきます。
できるだけわかりやすいように書いているつもりですので参考になれば幸いです。
それではやっていきましょー♪
目次
油絵の技法➊ おつゆ描き
油絵の具をテレピンに付けて、薄く描いていく方法です。
テレピンがない場合は、普通のペインティングオイルでも大丈夫です。
油絵の描き始めでよく使われます。
使う絵の具は、バーントシェンナがおすすめです。
バーントシェンナは、半透明な色なので、
明るいところは薄めて塗り、暗いところは濃ゆく塗るか重ね塗りすると暗くなります。
これでざっくりと立体と明暗をとらえて下書きしていきます。
このように1色だけで、描いていくことを、カマイユと言います。
バーントシェンナ、バントアンバー等を使用した場合は、ブルナイユと言い、
はちみつ色を使用した場合は、シラージュ。
緑色を使う場合は、ヴェルダイユ。
白黒の場合は、グリザイユと言います。
次の項目では、一番有名なグリザイユの説明をします。
油絵の技法➋ グリザイユ画法
カマイユで有名なのがこのグリザイユ画法です。
白黒で描き進めて、後から色を乗せていく手法のことです。
何と言いうか、名前がかっこいいですよね。
なんとも中二病心をくすぐられます・・。
デジタル絵で使われることが多くなってきていますが、
元々は古典絵画の技法です。
使われ方は、デジタルでも、アナログでもほぼ同じです。
メリットとしては、明暗と色彩を分けて考えられることです。
まず白黒の段階では、デッサンに集中して、
明暗が出来上がったら、色を乗せていくという感じです。
上にのせる色は、透明色や半透明色を使います。
明暗やグラデーションは既にできているので、
基本的には上から色をベタ塗りするような感じになります。
明暗と色彩を同時にやろうとすると難しいので、初心者に向いていると言われます。
私の場合も部分的にグリザイユで描いてから色を付けていくことは多いです。
他のメリットとしては、立体感が出しやすいところだと思います。
油絵でグリザイユは、グレーの上に色を乗せていくので色が沈みやすいです。
あらかじめ、少し明るめのトーンで画面を構成しておくとうまくいきやすいでしょう。
デジタルでやる場合は、明暗を自由にいじれるので気にしなくても大丈夫です。
また、技法ではないのですが有色下地のことをインプリマトゥーラと言います。
インプリマトゥーラの上にカマイユをやっていくといった方法もあります。
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油絵の技法➌ グレーズ(グラッシ)
油絵といえばこの技法!というイメージです。
油絵の技術は600年前ファンエイクという画家によって確立されました。
その頃からこのグレーズという技術は使われてきました。
あまり聞きませんが、グラッシとも言うようです。
薄い色を重ねていき色に深みを出していきます。
油絵の具には、不透明色、半透明色、透明色の3つがあります。
グレーズでは基本的に透明色を使います。
使用する筆は、軟毛筆がおすすめです。
ナイロン、馬毛、タヌキ、セーブル、イタチ、コリンスキー等ですね。
因みに、アクリル絵の具でも同じようにこの技法は使えます。
油絵の技法❹ スカンブル技法
グレーズと混同している人は結構多いのではないでしょうか。
グレーズは透明色を使うのに対して、スカンブルは半透明の色を重ねます。
👇関連記事 重ね塗りについて詳しく知りたい方はこちらから
油絵の技法❺ スフマート技法
境界ぼかしてはっきりとした輪郭線がでないようにして、ぼやけたようにに描く絵画技法です。
これが使われた絵として有名なのがレオナルドダヴィンチの作品「モナ・リザ」です。
油絵は乾きが遅い特性がありますので、ぼかしには向いています。
アクリル絵の具だと、乾くのが早いのでスピーディーにやる必要があります。
関係ないのですが、私はよく間違えてフスマートと言ってしまいます^^;
「スフマート」って言いずらいですよね・・。
ちょっと恥ずかしいので皆さんは気を付けてくださいね。
油絵の技法❻ インパスト技法
油絵の具を厚塗りし盛上がるようにして画面に絵具の凹凸を出す技法です。
多く油絵の具を使うので、硬い筆の豚毛やパレットナイフ、などが適しています。
画面上が立体的になりますので、光の当たり方や、見る角度によっても絵の印象が変わってきます。
元々油絵の技法ですが、モデリングペーストを使うとアクリル絵の具でも可能になります。
インパストは、私は気分転換にたまにやります。
たっぷり贅沢に絵具を載せるのは、気持ちいいですよ。
油絵の技法❼ ドリッピング技法
絵の具を直接キャンバスに垂らしたり、
筆で飛び散らせたりすることで支持体に絵の具を付ける技法です。
筆と支持体が直接触れ合わない場合にこう言うようです。
油絵の抽象画でよく見かけます。
また、水彩画でもよく使われていますね。
写実的な絵にはあまり使われないイメージです。
使う場面は難しいですが、使いこなせば面白い表現ができると思います。
油絵の技法➑ ミクストメディア技法
2種類以上の画材や技法を使用した作品や表現のことを言います。
ミクストメディアとみなされる最初の近代美術作品は、パブロ・ピカソのコラージュ作品
「Still Life with Chair Caning(籐椅子(とういす)のある静物画)」とされています。
現代アートでは使われることが多いです。
ミクストメディアで有名なのが「コラージュ」です。
雑誌や写真、新聞、布、木材などランダムに張り付けたような作品のことです。
その他には、「デコパージュ」「アッサンブラージュ」「ファウンド・オブジェ」、
「オルタード・ブック」「ウェットメディアとドライメディア」といった技法があります。
ここでは油絵の技法を話がそれてきますので、割愛します。
油絵の技法❾ ドライブラシ技法
ペインティングオイルをほとんど使用せず、
油絵の具を少な目に付け、かすれた様に支持体に付ける技法のことです。
動物の毛を描く際や、髪の毛などを買う際にも見られます。
私の場合は、扇筆で使うことが多いです。
扇筆の先端だけに絵の具を付けてランダムに付けて、
テクスチャーを作ったりします。
壁の汚れやシミを描いたりするときにも使用します。
油絵の技法❿ スパッタリング技法
ドリッピングと近い技法です。
豚毛などの筆を、指でしならせて弾いて絵具を支持体に付ける技法です。
歯ブラシと金網を用意してやることもできます。
室内などでうかつにやると、思いがけないところに絵の具が飛んでいきますので注意しましょう。
子供から大人まで楽しめる技法だと思います。
油絵の技法⓫ ハッチング
細かく平行線を引き重ねていくことで、絵に重厚感を与えていく技法です。
クラスさせて線を引く場合は、クロスハッチングと言います。
日本の白黒漫画にもよく使用されています。
デッサンでも使用しますよね。
かなり作業的で、根気がいる手法だと思います。
油絵の技法⓬ グラデーション(ウェット・イン・ウェット))
技法と言っていいのかわかりませんが、こちらも説明しておきます。
2つの色を置いて、それの境目をぼかし、つなぎ目を自然にみせて、色を繋いでいくことです。
虹をイメージすると良いでしょう。
注意点としては、補色(色相環の反対にある色)をグラデーションするとうまくいきません。
補色同士を混ぜると、色が濁り汚くなってしまうからです。
色相環の隣の色、または近い色を使いましょう。
また、スフマートの説明でも書きましたが、
油絵は乾きが遅いのでグラデーションを作るのにも向いています。
アクリル絵の具だとグラデーションを作るのにコツが要ります。
油絵の技法【おまけ】 マチエールについて
油絵では画肌、絵肌に見られる肌合いや光沢の状態のことをマチエールといいます。
キャンバスか木製パネルかでもマチエールは変わってきます。
また、絵の具の種類、ペインティングオイルの種類などでも変わります。
別な言葉でいうとテクスチャーの方がしっくりくるかもしれません。
質感のことですね。
「画面の質感」と覚えておけばいいかと思います。
マチエールが変われば、絵の印象もだいぶ変わってきます。
自分の絵の表現に合ったマチーエルを考えてみるといいかもしれません。
あとがき
以上になります。
いつも最後にまとめを描くのですが、長くなるので省略します。
長くなりましたので、疲れちゃったかもしれませんね。
最後まで読んでくれた方は、ありがとうございます!
これらの技法をあなたも取り入れて、あなたの絵の表現に磨きがかかってもらえれば幸いです。
また別の記事で。
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